経営は因数分解、コロナ対策も因数分解 #フリフリ010
※「フリーランスのフリートーク」とは、スタッフが独断と偏見と気分で綴るコラムです
こんにちは。株式会社フリーランスのコンサルチームを担当しています、中小企業診断士の富永です。
今日はコロナから読み解く“経営の因数分解”についてお話したいと思います。
1.経営は因数分解
私がコンサルティングするときの基本は因数分解です。
相談があったときに最初に何をするかというと、当然相談される問題の原因を探ります。どんどん質問をしていきながら原因を探っていきます。「何が起こっているのですか」「いつから起こっていますか」「どこで起こっていますか」「どんなやり方をしていますか』など結構しつこく質問します。これをやるだけで、相談者の方が勝手に問題解決のヒントを見つけてしまうこともあります。
トヨタ生産方式でよく言われる、「なぜを3回くりかえせ」という言葉も実は因数分解をしているんです。
ある問題が発生した時に、なぜそうなったのか、直接の原因を考えます。その直接の原因を引き起こした原因は何か、そのまた原因を引き起こしたのは何か、と繰り返していきます。
これを繰り返すということは、つまりある問題の原因を分解して、考えられることをたくさん見つけていくことです。
例えば「なぜここ3ヶ月赤字が続いているか」を因数分解してみると以下のようになります。
実は社長の皆さんは頭の中でいつもやっていることですよね。
またこの絵はロジックツリーと言われる図式でもあります。
これをもっともっと因数分解していくことで、すぐにできる対策も見えてきます。大きい問題はどこから手をつければいいのか見えにくいものです。でも因数分解して小さな問題にすることでアクションにつながる解決策が見つかります。
「なぜを3回繰り返せ」とか「ロジックツリー」だとか、いろんな言い方がありますが、やっていることは大きな問題をたくさんの要素(因数)に分解しているということです。
2.コロナ対策も因数分解
「因数に分解する」
これは意図的に使えば、経営だけではなくいろんなところで相当使えます。
今世界が直面しているコロナウイルス のパンデミック(世界的流行)を抑えるため、人との接触を8割減らすという行動変容が求められています。しかし多くの中小企業は、うちはそんなことは絶対に無理と初めから思考停止しているのではないでしょうか?
そんな時は因数分解です。
この「人との接触を8割減らす」ということも、因数分解してみるとより具体的な対策が見えてくると思います。
自分がいつどのような場面で人と接しているのかを因数分解してみましょう。
(人と会う場面という因数に分解します)
仕事、趣味、家庭、という場面に分解します。
そして仕事であれば、事務処理、営業まわり、情報収集活動、などに分解できます。
毎月それぞれの人とどのくらい接しているか、分解していきます!
例えばある工事会社を想像してみましょう!
・朝の朝礼
・現場への移動
・現場作業
・お客様との打ち合わせ
・事務所での書類作成
・社内会議
に分解します。
それだけで、人との接触を減らす方法が見えてきませんか?
・朝の朝礼→ライン電話でやる
・現場への移動→現地集合
・現場作業→工程調整をして作業員を減らす(作業員が3割減れば、接触3割減)
・お客様との打ち合わせ→電話
・事務所での書類作成→自宅に持ち帰りテレワーク
・社内会議→音声会議に変える
はい、これでどのくらい接触頻度が減るのか計算してみましょう。
仮に上記作業の時間配分の割合が、現場作業6:その他4とします。
対策によって現場作業の接触頻度が3割減ります。その他は10割減ります。
元々合わせて10の作業が、現場作業6×0.7+その他4×0=4.2となります。
これで約6割削減(10→4.2)です。
社会全体も、会社、家庭など様々な因数に分解して、それぞれがまた因数分解して、そしてそれぞれが感染確率を減らす、その積み重ねが社会全体の感染リスクを減らすことになります。
みなさん、自分のまわりをぜひ因数分解してみてください。