202003/30
FREE FREE TALK

発達障害の僕から見た、コロナとの向き合い方提案 #フリフリ006

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2020.03.30

発達障害の僕から見た、コロナとの向き合い方提案 #フリフリ006

2020.03.30
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発達障害の僕から見た、コロナとの向き合い方提案 #フリフリ006

※「フリーランスのフリートーク」とは、スタッフが独断と偏見と気分で綴るコラムです

 
情報システム業務支援チーム「機人」リーダー兼、株式会社フリーランス代表取り締まられ役の鈴木です<(_ _)>

フリーランスのフリートーク、略称フリフリも週刊でお届けして何とか1か月、継続できました。引き続き週刊を習慣にできるようがんばります!

さてさて、本当はもっと違う話題を考えていましたが、さすがに触れんわけにはいかんやろうと思い、、
もう関連情報であふれていてうんざりしている人もいるかもしれませんが、ここはひとつフリフリらしいコロコロのさばき方でいってみたいと思います。

新型コロナウイルス肺炎、もう世界中が隅々まで大変なことになっているのは周知の通り。

その病原性に関しては諸説ありますのでここでは置いといて、それ以外でこれまでもいろいろあった社会的危機に比べいったい何が違うのでしょうか?

いろいろ表現はあると思いますが、僕は
「世の中の要求に、自分が応えられない」
という状況が
「突然たくさんの人に生まれた」
ことによる混乱、が一つあると思います。

今回でいうと
「人との直接接触は自粛」
これが世の中の要求。

従って、人との直接接触を前提とする活動が生活の中で大きな比重を占めていた人にとっては、それがビジネスであろうとなかろうと非常につらい。

飲食店や旅行業などを営む方にとってはもちろんのこと、例えば「毎週気の合う仲間とバーで飲むのがライフワーク」みたいな人も、今回の状況は耐えられないほどのストレス、という話もよく聞きます。

ところで、ここで唐突にカミングアウト(普段から結構あちこちで言ってはいますが)しますが、私、「発達障害」という診断を受けています。

発達障害に関して掘り下げたいわけではないので今回の話に関連する情報だけ整理します。

発達障害は一説によると、生まれつき脳や脳内伝達物質の構造・機能が通常の人と異なることが原因で、特徴的な個性が出る、という現象をさすそうです。
個性によって分類があって

・空気が読めない、こだわりが強すぎる(ASD)
・注意力が極端に無い、落ち着きがない、時間や決めたことを守れない、我慢できない(ADHD)
・文字など、特定の情報が頭に入ってこない(LD)

ざっとこんな感じです。

僕はそのうちの真ん中、ADHDという診断を受けています。
ADHDに関しては、「大人のADHD」というようなキーワードで検索すると関連情報や書籍はたくさんありますのでご興味がある方はそちらで確認してみてください。

このことが原因でそれなりに苦労はしましたが、人間みな生きていれば何らかの苦労はありますし、その範囲を出ないものかなとは思っています。
それに、ちゃんとできているかは置いておいて、曲がりなりにも代表取締役という業務をそれなりに続けることができているくらいには社会に適応できていると思います。

さて、そんなADHDな僕からの視点でコロナを取り巻く社会状況を見てみると、
「世の中の要求に、自分が応えられない」
ていうのは、まんま発達障害の人間に課された試練と一緒だな、ということに気づきました。

僕の場合は、常識という名の世の中の要望
・時間は守るもの
・大事なことは期日までにやる
ということに、自分一人だけでは応えられません。

その結果、それを放置していると
「信用・信頼を失う」
というペナルティが発生します。
自分が発達障害だから、というのは関係ありません。

コロナの場合、ビジネスでいうと
・人との接触禁止
に対応できないことで、
「収入がなくなる」
というペナルティが発生しています。

「だってしょうがないじゃん」
といったところでペナルティは容赦なく課されます。

僕は昔からよく言われていました。
「そんなのは言い訳でしょ?時間守るのは人として当たり前なんだから、できないなんて言うのは努力が足りない証拠!」
はい、その通りです。

ただ、僕にはつらかった。その人として当たり前、というものを実現することが。
精神病院に入院するほどに。

そしてそこまで思い悩んでも、結局実現することはできませんでした。
そして、そんなこととは関係なく、世の中の要求は変わることはありませんでした。

そりゃそうです。
「僕、ADHDなんで、時間守れないのが普通だからあなたたちが僕に合わせて!」
って言われたらどう思います?
なんであんたのできないことの被害をこっちがかぶるのが当たり前なの?お前が何とかしろ!
って思いません?

単純に、上記の文言をコロナに置き換えてみます。
「そんなのは言い訳でしょ?人との接触禁止に対応するのは人として当たり前なんだから、できないなんて言うのは努力が足りない証拠!」
あくまで置き換えただけです。別に僕がそう思っているわけではありません。

そして、これを言われて今つらい人たちがたくさんいることも理解します。
実際にどんなに努力したってできない人もいるでしょう。

ただ、発達障害に当てはめると、「僕できないんです」だけでは同情しか手に入りません。
この状況だからみなさん表だって言わないかもしれませんが、最終的には
「天は自ら助くるものを助く」
という言葉がすべてを表している気がします。

僕が自分のADHDな状況に対してどう対応したかというと、
1.「自分はできない」と素直に認める
2.自分にできなくても、世の中の要望に応えられる状態を作る

端的に言えばこれだけかな、、と思います。

2.を実現する方法は様々で、詳細は長くなるのでまたの機会にしようと思いますが、いずれにしても「人の助けをあてにする」ということで共通しています。
そのためには、人が助けてくれるような人間になれるよう、日々の生活を心がけることが大事だと思います。

人が助けてくれるような人間、というのは、何か答えがあるわけではありませんが、少なくとも自己中心的でなんでも人のせいにするような人は当てはまらないでしょう。
そして、ピンチの時だけいい顔しても助けようとは思わないでしょう。
打算的なのもいけません。見返りを求める姿勢はすぐにばれるでしょう。
じゃあ、いったいどうしたらいいのでしょうか?



今、この瞬間に対応するための様々な制度、支援が、政府、民間問わず展開されています。
まずは生き残るため、できることはすべてやるべきです。

それでもなお、どうにもならないと思う方がいらっしゃれば、こんな時だからこそ、ぜひ一度、自分の回りにいる方をよく見てみてはどうでしょうか。

空気のごとく当然のように、いつもとなりにいてくれる人たち。

家族、友人、お客様、仕入先、よく行くお店の店員さん、何気なくすれ違うたくさんの人々。

彼らのために、普段自分はどのように接しているでしょう。

彼らから見て、自分は「助けたい人」でしょうか。

「助け合い」を前提とする社会性動物。これは縄文時代から変わらない、人間の普遍的な性質です。

「助ける」でなく「助け合う」動物。

コロナが終わればそれで終わりではありません。人間社会はまだまだ続くでしょう。

普段人の助けを借りなければ生きる事すらままならない、ADHDな僕から見たコロナ対策でした。

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