フリーランスのフリートーク Vol.1 「情報格差の本質」 #フリフリ001
※「フリーランスのフリートーク」とは、スタッフが独断と偏見と気分で綴るコラムです
創業前、私は実家の小さな工場で、オフィス業務の改善に取り組んでいました。
パート・アルバイト含めた全従業員は30名ほどで、そのうちオフィス人員は5人ほどのいわゆる「小規模事業者」です。
そこで、個人事業を創業するに至った重大な一つの事実に気が付きました。
それは「情報格差の本質」です。
昔から会社の経営資源として「ヒト・モノ・カネ」というのはよく言われてきましたが、今の時代そこに「情報」が付け加えられ、情報の大事さというのはすでに十分認知されているかと思いますので、何をいまさら、と言われるかもしれません。
では「情報がない」という状態は具体的にはどういう状態を指すのか。
ビッグデータを活用しきれていない状態?
有用な人脈を持っていない状態?
最新の業務システムで自社の業務を可視化できていない状態?
SNSを使ってソーシャルメディア上でのコミュニティに参加できていない状態?
あえて今風な言葉を並べてみました。
もし上のような課題をもって小さな会社の情報に関する課題だとする見方があるのであれば、私は言いたい。
情報格差を舐めないでほしい、と。
私が対応した事例を紹介しましょう。
例えば、まったく更新をしていない、古いデザインのホームページに、高額な月額支払いしていました。ホームページからの新規案件はほぼないにも関わらずです。私は直ちに契約をやめさせ、安くホームページを作り直し、ランニングコストをほぼ0にしました。
例えば、その大半がFAX広告を吐き出す古い複合機に、高額な月額支払いをしていました。私は直ちに契約をやめさせ、安くて最新の複合機を手配し、メールでFAXを受信できる状態を作り、月数万円のコストカットをしました。
例えば、いつも「言った、言わない」「聞いた、聞いてない」という言葉で会社が埋め尽くされており、その確認のために多大で無駄な時間をかけていました。私は直ちに主要社員全員のチャットグループを作りました。それからは情報の確認をすぐにチャットで確認できるようになり、無駄な時間がずいぶん削減でき、同時にストレスも削減できました。
いかがでしょう?「たいしたことない、自分でもできる」と思う方もいませんか?
私もその通りだと思います。
誤解を恐れずに言えば、作業だけを見ると実に大したことないものです。
しかし、この事例こそが、「小さな会社の情報格差」の本質であると私は捉えています。
ポイントは、次の3つにまとめられます。
・誰でもできることなのに、だれも気づけなかったということ
・「小さな会社」であるということ
・様々なオフィスサービスの業者が出入りしていたにもかかわらず、だれもこれらの簡単な課題を解決していないということ
これらのポイントは、小さな会社が持つ3つの能力不足を示しています
・誰でもできることなのに、だれもやらなかったということ
→「異常検知」の能力がない
・「小さな会社」であるということ
→「異常検知」できたとしても、人手が割けないので「課題解決」の能力がない
・様々なオフィスサービスの業者が出入りしていたにもかかわらず、だれもこれらの簡単な課題を解決していないということ
→「異常検知」できて、「課題解決」できる業者がいたとしても、たいしたことない作業なのでお金にならず、だれもやらない。つまり、「課題を解決すること」に対する「報酬変換」能力がない。
「異常検知」「課題解決」「報酬変換」-これら3つの能力は、「情報」を「経営資源」たらしめる必要条件であると私は考えます。
「異常検知」ができなければ、情報の価値がわからない
「課題解決」ができなければ、情報を価値にできない
「報酬変換」ができなければ、情報を価値にする原動力が発生しない
つまり、情報がないという「状態」が問題なのではなく、情報を資源化できないという「環境」が問題なのです。その環境の格差が「情報格差」です。
【鈴木】