202112/09
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投資家になってみた ─福岡大学商学部・創業体験プログラム─ #フリフリ033

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2021.12.09

投資家になってみた ─福岡大学商学部・創業体験プログラム─ #フリフリ033

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投資家になってみた ─福岡大学商学部・創業体験プログラム─ #フリフリ033

※「フリーランスのフリートーク」とは、スタッフが独断と偏見と気分で綴るコラムです

こんにちは、後藤です。
師走になりましたね。
なんだかこの数年は、何をしていたのかあとからあまり記憶が思い出せないような年かもしれないなぁと最近思います。
ぜひこの「ぼんやりしたYEAR」は2021で打ち止めとし、2022からはまた活発な記憶にあふれる日々にできるように祈っています。
 
さて、本日は、この数年「癒着」と言われるほどに絡みのある、福岡大学商学部・飛田ゼミとの交流から生まれたできごとについてお話してみたいと思います。

私がデスクを担当しているWEBメディア「フクリパ」にて飛田ゼミの学生を「大学生ライター」として起用させて頂いたことをご縁に、私が飛田ゼミで講演をさせてもらったり、下記のように弊社代表・鈴木が「す~しゃちょー」として飛田先生の紹介記事を書かせていただいたりしてきました。


す~しゃちょーの「福岡〇〇バカ日誌」Vol.2-1 アントレプレナーシップ溢れる“管理会計バカ”・福岡大学飛田努准教授インタビュー大学で学ぶことは、実務でも使える。「創業体験プログラム」飛田ゼミ10年の実り


す~しゃちょーの「福岡〇〇バカ日誌」Vol.2-2 アントレプレナーシップ溢れる“管理会計バカ”・福岡大学飛田努准教授インタビュー会計は誰のものか。感情と勘定から為る「管理会計」を通して学ぶアントレ教育

飛田先生が取り組まれている「アントレプレナーシップ教育」は、「大学を卒業した瞬間、社会人になれるわけでもあるまいに」と思いながらモラトリアムを引きずる社会人スタートをおくっていた私には強烈なインパクトでした。
大学生でこういった学びに出逢えるって幸せです。
(まぁ、私も「お前の芸風はアカデミズムよりリアルだ!社会に出ろ!」と言ってくださった大学院の担当教授のお陰でいまがありますが)

そんなこんなで、弊社にも飛田ゼミの学生さんが遊びに来たり、お悩み相談に来たり、後藤の口車に乗って創業してしまった子たちが事業の経過報告に来てくれたりと、まぁこう書くとほんとに「癒着」ですね。
弊社スタッフも、飛田ゼミの学生さんとの交流で刺激をもらっていますし、本当に感謝しています。

おしまい。

というお話ではなく(相変わらず前置きが長い)、そんな飛田先生から、「投資家やってよ」とお声がけ頂きまして、今年の「創業体験プログラム」の投資家をさせていただきました。

「創業体験プログラム」、略称「創P」は、商学部の飛田ゼミと藤野ゼミの学生さんに毎年与えられているプログラムでして、福岡大学の学園祭・七隈祭での出店を「株式会社」に見立て、事業計画から商品開発、営業、交渉、投資家へのプレゼン、当日の進行、そしてBS、PLをしっかりと整えての株主総会にて配当金の分配までを行ってしまうという「期間限定で株式会社をやってみる学び」です。

この2年はコロナの影響で七隈祭が開催できなかったため、別の場所を先生が見つけてきての実施となりました。
そう、そんなわけで、今年は鳥飼八幡宮で初開催された「カレーフェス」への出店が課題だったのです。

≪事業計画発表会≫
9月中旬、投資家役の社会人約10名が福大に呼ばれ、4社の経営理念、事業計画、カレーフェスで出店する商品のプレゼン、売り上げ目標などをしっかり聞きました。

ちょっとこの時点で、そのへんの社会人でもわからない単語がバンバン飛び出す本格的な内容です。ガチで株式会社。
そして我々投資家は、1株2,000円で5株を持ち株とし、この4社に投資しました。

≪イベント当日≫
イベントは10月末。お天気が心配でしたが、みんなの頑張りが効いたのでしょう、暑いくらいの良い天気でした。


このイベントも今年初チャレンジだったのですが、主催者の秋吉さんが創Pの趣旨を大変理解しておられ、快く4ブースをわけてくださいました。
(といっても、もちろん出店料はちゃんと発生します!そこは平等です!)
「スパイス」がテーマということで、4社それぞれに、試行錯誤を繰り返した商品が並びました。全部食べましたので後述の株主配当は完全に吹っ飛んでますが(爆)、楽しいからいいんです!

≪株主総会≫
そして昨日、株主総会でした。

各社の売上、損益計算書、貸借対照表、当期純利益、自己資本利益率、としっかり計算していて、株主ごとの配当金の発表までしっかりなされました。
ここで重要なのが、なぜこの日のこの時間の売上が減ったのかとか、予算よりも実績がなぜ増えたのか(いわゆる予実ですね)とか、しっかりポイントを説明できていること。または株主からの質問に回答できるということ。
投資家の中には飛田ゼミ出身・コウダプロで頑張っているみづきちゃんも参加していたのですが、この予実についてゴリゴリ質問したりしていて、現役はもちろん、卒業生も、このプログラムを通して学んだことが血肉になってるんだなとしみじみ感動しました。

この創P、もちろん学生が一番学びになっていると思うのですが、実は投資家として初参加させてもらった私とす~しゃちょーはもっと学びになったと思います。(言いたいことはここからです!)

以下、後藤と鈴木がどう株を振り分けたかを簡単に示してみます。

≪後藤≫
A社:1株 B社:2株 C社:1株 D社:1株 (あと1株持っていればD社に入れたかった)

≪鈴木≫
A社:1株 B社:1株 C社:1株 D社:2株 (あと1株持っていればB社に入れたかった)

投資家メンバーにはB社5株賭けをした矢野君という昔からの知り合いもいましたが(笑)、
後藤と鈴木は、「あ、ここいいな」と思っても、学生さんへの応援という意味も込め、全社に1株は行き渡るようにと考えての配分をしました。
(事前に相談はしていませんが、普段まったく意見が合わないのにこういうところで根が真面目なのがバレる我々です…)
 
結果として、一番配当が高かったのはB社でした。そう、つまり矢野君が一番儲けました。今度おごって!
のですが、会社としての理念に即した経営判断を一番していたと投資家陣が感じたのはD社でした。

そう、つまり、後藤対鈴木で利益は後藤が勝ちましたが、「いいな」と思っていた企業ではD社だったので、結果的にはそれが見事に表れた形となったのです。
(この選択と集中が、普段の鈴木・後藤の経営判断そのまんまでちょっと笑ってしまうのですが…)

事業説明の段階では…
B社は商品力、営業力が見えていました。
D社は商品力は粗削りでしたが、理念をもとにした腰の据わった体質が見え、好感が持てました。

そして昨日の株主総会で、B社はお客様の声で商品の構成を変更したと回答し、D社は「地元の美味しいお肉を残すことなくたくさんの人に知ってもらいたい」と考え、損益分岐で100円の値下げをしたと回答しました。

昨日で4社とも解散していますので、これからどうこうという話ではないのですが、B社はマーケティングの視点をもっと持つ必要があるけれど、短期的には売り抜いたという結果だと思います。
逆に、D社は経営理念をしっかり守り、「会社として」どうあるべきかを考えた行動をしていたので、短期的には二番手でしたが、このまま続ければおもしろい会社になったのではと思います。
ちなみにA社もC社も大変美味しいスパイス商品でした。甲乙つけがたかったのですが、あえてB社とD社に絞って解説させてもらいました、他意はないです、みなさんお疲れ様でした!

いずれも後藤の私見ですので、実際に彼らがどんなことを思い、感じたのかはわかりません。
ただ、会社の経営で「目先の利益をとるのか」「会社としてどうあるべきかを守るのか」というよくぶつかる問題が、4社のドラマの中から生まれ、そして結果に表れていて、本当に勉強になったんですね。
そして、派手で大きな会社だけが魅力的なわけではなく、小さくても気骨があって感性が合う会社だってあるんだ、ということ。
それは就職活動でも大事なことだし、社会人としてどんな企業と付き合うのかという視点にも有用だと思います。

うーん、これはちょっと、社会人の方、ぜひ参加してみて欲しい。というか、もっとこの創業体験プログラムが拡がるといいなと心底思いました。

と、気づいたら、3000字を超えてる…原稿1本分じゃん!
まぁ、いっか。
もう夜明け前ですが、寝る前にこれを書き上げることが、彼らの頑張りへのせめてもの「ありがとう」かなと思い、勢いで書かせていただきました。
 
明日からも、頑張ろう、社会人!

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