202012/01
FREE FREE TALK

ちびまる子ちゃん展に行ってきた #フリフリ021

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2020.12.01

ちびまる子ちゃん展に行ってきた #フリフリ021

2020.12.01
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ちびまる子ちゃん展に行ってきた #フリフリ021

※「フリーランスのフリートーク」とは、スタッフが独断と偏見と気分で綴るコラムです

 

連続で失礼します!高柳です!
先日、「ちびまる子ちゃん展」を末廣さんと見に行ってきました(*’▽’)

何気なく誘われて行ってきたのですが、これが意外と面白くて。
会場の最後の方にさくらももこさんの遺品も展示されており、モノ作りの天才なんだろうなと感じました。お菓子の箱に自作の画用紙を貼ってファンレター入れにしてみたり、薬のビンのラベルを一つひとつ手作りしたり、100均のポーチに直接イラストを描いて世界に一つだけの煙草入れにしてみたり。
そこで、ちびまる子ちゃんを生み出した「さくらももこさん」について興味を持ったので書こうと思います。

ももこさんは短大に在学中に漫画家としてデビュー。卒業後に上京して就職しますが、2カ月で退職しています。まもなく雑誌『りぼん』で『ちびまる子ちゃん』の連載を開始し、たちまち国民的な人気作家となりました。

●うわの空のプロ

ももこさんに興味を持ち、エッセイ「まる子だった」を読んでみました。冒頭の「『うわの空』の詳細」の一節がこちらです。
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授業中、私はいつでも自己流に過ごしていた。
先生の話もみんなの意見も何もきいていないのである。では何をしているのかといえば、雑誌の連載漫画のつづきを気にしていたり、自分の欲しいオモチャやペットの事を考えたり、外からきこえてくるチリ紙交換の声に耳を傾けたり、窓から見える山や空を眺めていたり、消しゴムのカスを集めて練って遊んでみたり、ノートの隅にらくがきしたり、まァいろいろとやる事はあったのである。自分ではけっこう多忙に授業中を過ごしていると感じていた。決してボンヤリなんかしていないと思っていたし、常に何かを考えていたのだから頭もめまぐるしく使っていると思っていた。
しかし、ある日母から「あんたは毎日うわの空で生きているから忘れ物や失敗ばっかりするんだよ」と言われて首をかしげた。私のどこがうわの空なのか。
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今だったら「ADHDなんじゃないか」と思われるような、そんな子供だったももこさん。
それに対してももこさんは、「こんなに毎日いろいろ考えて頭をフル回転させ、見るもの聞くものへの空想力を広げ、暴れたりするわけでもなく静かに多忙に自分の世界を創造している私に対してうすら馬鹿の総称を投げつけてくるとは何事か。ちょっと考えを改めて欲しい」と感じています。
自分の空想力に絶対的な自信を持っていて素晴らしいです…!
わたしも小さい頃は(いや今もかも笑)、ボーっとしていて空想癖があり、興味のないことには一切の集中力を使えなかった子供でしたが、他の子とは違う自分がダメなんだと思っていました。もっと自分の力を信じていいんだと思いました。(笑)

●とがってる印象派

空想が大好きなももこさんは、もちろん印象派。印象を、しかも自分なりのおもしろかったというフィルターでしか覚えていないので、間違っていたりするとのこと。
引用を使わないのも、「調べれば分かるようなことって、書く必要もないし、自分で覚えておく必要もない。だから、そんなところじゃないところを覚えていたい。」という理由から。

バリバリ右脳派ですね(笑)
わたしもどちらかというと右脳派なので共感しまくりでした(笑)
旧友と話すときに、みんなが覚えていることは全然覚えていないし、どうでもいいところだけ鮮明に覚えていて話についていけないことがしょっちゅうです(´;ω;`)
でも、そんなところさえ自信に変えているももこさんは素晴らしいですね!

●人生これでいいのだ精神

『AKIRA』などの作品を描いている大友克洋さんの作品を読んで「やっぱりすごく上手で、自分は一体、この人と同じ職業っていうのはどうだろうと思った。」というももこさん。しかし、その後すぐ自分の作品を読んで「大友克洋さんにはない何かが自分にはある」と思って、やっていけると感じたそう。
「自分の作品を好きってことは、自分を好きだということ。」とも言っています。

『人生これでいいのだ精神』で生きていたももこさん。
SNSが普及して誰かと比べてしまう人が増えている現代。誰かに愛されることより、まずは自分が自身のことを愛してあげなければいけないと感じました。

ここまでの全てに通じるのは、ももこさんが『自分は絶対的な存在であると自己認識ができている』ところだと感じました。
ももこさん自身が気負いすぎず、楽しく作品を作っているからこそ、長年愛される『ちびまる子ちゃん』が誕生したんだと思います。
情報過多で目まぐるしく進んでいく現代だからこそ、肩の力を抜いてもっとゆるく生きていってもいいのかなと感じました。

さくらももこさんの人となりがなんとなく分かり、『ちびまる子ちゃん』の見方が変わったので、これからの日曜18:00が楽しみです(*^-^*)

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